2019-01-01から1年間の記事一覧

などと。

虚仮威しに過ぎないそんなものがのっしのっしと二人力で頭を捻った数時間のち、君達は静かなトーンで講釈を垂れていた。レンズの中にある記憶が呼び起こされて吐き出したのは、見守る合間だけ行為は好意を帯びるとビルの合間で身を守る事をトーン棒に許され…

香に迷う、蟹魔導

私は昔から嘘つきである。 自覚の上に塗りたくる恥について赤面する夜を幾度か越えて嘘は技術を帯び、遂には私のアイデンティティとなったのです。 私の生まれた1940年10月11日の六花市では世代間闘争のクライマックス真っ只中であったという。 激しい怒号の…

ベンゼンメクラムシ

高潔故に苦しまなければいけないという自己評価に塗れた腐った社会においての役割分担を連結と捉えて盲牌。 不可不可のベッド。 擬挫擬挫の歯牙。 脳味噌を動かさずに眠りにつくばかりで思い付くままの想いも丸で如何にも遠くを観ているかのよう、膨らんでは…

蘇鉄は金物にて育ち

クリスタルという言葉の持つ輝きは実物よりもクリアであり、それはニンニクの香りを味が超えない郷土料理に近いものがある。 約束を破ってはいけない理由は罰の存在でそれ以外に理由は無く、エネルギーとは変換されて使われるものである。 引いて見れば結束…

サフランという獣のお話。

哀しみは言い換えるならば、窮屈に迫る壁のようなものです。彼は続ける。 皆等しく哀しみ、皆等しく喜び合う。それら全てが謹みであって何が間違いであろう。ハンカチには裏も表も無いのだ。 なんということか毎日というサイクルが彼を壊してしまった。サン…

ビスキュヘッドさん

そこそこの値段がついた。最終的には黒い自動車。それでは損害の支払いは一月以内でと電話口で伝えられた時には私は一つもお金を持っていなかったし、インターネットで必死になって臓器を売る方法を探していた。10代から20になる直前後の私の実話である。の…

青のポータルから来て、普通にオレンジ。

地下で行われるバーチャルの鑑賞中、空腹を覚えた私は食い物を探しに三十六景に飛び出した。 緑色に輝く海が呼ぶ声に導かれ、直径50歩ほどの入り江に立ってみる。508時間ちょうど待っていると、空腹の私にふんと良い匂いが届けられた。思想家曰くの楽しい時…

12秒の秘密について君の知る事僕の知らない事

巨悪について考える。キャタピラが踏み潰している世界の事だけを頭に浮かべると、壁一面の悪戯書きの中から溢れ出た卑猥な言葉による罵倒が自分のカケラを差し出して教えてくれた。巨悪について考えるんだ。花の無いサボテンが溶けている。前脚を必死に動か…