ビスキュヘッドさん

そこそこの値段がついた。
最終的には黒い自動車。
それでは損害の支払いは一月以内でと電話口で伝えられた時には私は一つもお金を持っていなかったし、インターネットで必死になって臓器を売る方法を探していた。
10代から20になる直前後の私の実話である。
のであれば仕事をせねばいかんのですが、なにぶん世から隠れていた私の輝かしい未来への道が閉じたばかり。
 (正確に言えば閉じた事にしてしまおうと考慮から早めに外しておいたのだけれど。) 
どうにかしようと、まず足掛け違法ダウンロードで手に入れた様々な形のモノを売りさばいてみた。 
勿論、一から十まで違法ではあるが当時の世界あまり躍起に正義に肩入れする人間は少なくともインターネット上には少なかったように思う。
商売たるやを知らん餓鬼がせーので手に入れた二足三文では自らの血液に混ぜる塩胡椒の足しになるばかりで到底足らず。
金額にしてそれはまぁひとまず40万だったとしておこう。
レートは個人個人で決まるもので、当時の私にとってはあまり重大な金額に思えなかったのがそもそもの間違いでまさか一月無理に働いて15万しか稼げないなんて夢にも。
テレビでは簡単なクイズに答えて100万じゃないか。 
電子の海で社会を学んだ私にとってインターネットは全ての知識であったので、とにかくまずは数字を物差しで測ることにした。 
自分が売れるものの数字。 
身体と命。 
まぁ調べるまで本当にそれらが数字になると思っていたんだよ、可愛いよね。 
続きはまた今度。