で?

回転ドアのすぐ裏、共有の屑籠に一通の封筒を見つけた私はそれを急ぎ懐に隠し、濡れぬよう小走りでうちへ戻る。

偶々見つけたのでは無く、起き抜けの空気が普常の歪みを知らせた。

一体全体俺が何をしたって言うんだ。

まぁそういう内容の封筒だ。

誰の所にも一度は来るだろう?

例の封筒だよ。

勿論届いたその日に青い炎で一晩燃やして役場に電話っていうルールは知っていた。

でもそんな当然のルールを疑う人間にとっては行動の為のエネルギーとして働いてしまうんだよね。

そこで、ひとまずは冷凍庫へ放り込んだ。

忘れようというメタファーでは無く、その頃冷凍するというのは聡い選択肢として持て囃されるべきものだったのだ。

笑い物として。

しかし封印すれば尚更こびりつくのが不安やそれに似た色物だ。

こびりつき、緩やかに血液に溶けて全身を巡る。

コレステロールやないか。

違うか。